破損しにくい鉗子の制作

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【目的】我々の施設で破損したペアンを観察してみると、全て同じ場所が折れていました。治療中にペアンが破損すると危険であると同時に破損する本数が多ければコストの上昇につながります。そこで破損部位が一カ所に集中する原因を調査して、破損しにくいペアンの形状を考案し、製作しました。

 

*ペアンの形状

【方法】我々の使用しているペアンはボックスタイプと呼ばれている、2本の交差部の片方にボックス型の空狭があり、そこにもう一方が差し込まれている形状である。我々が経験した破損箇所は全て差し込んでいる側の血液回路を挟む部分の根本であった。破損箇所は他の箇所と比較して厚みも幅も少なく、形状もV型になっているため負荷が集中すると思われた。そこで、強度を一定にするために破損する部分の周囲の厚さを一定にすると共にV型形状をU型にして負荷が分散するようにした。

 

 

*破損ペアン

破損は全て差し込んでいる側です。その殆どは挟む部位の根本です。

1本のみ指を入れる側の破損がありました(写真一番左)。

 

*破損部の断面

破損部の断面は先端部に比べ1/3の厚みしか無く、幅も一番狭い部位です。

 

*従来型ペアンのイメージ

従来型ペアンは交差部で差し込む側の厚みが1/3になってしまうため強度が落ちる。

また幅が変わる部位に角があるため応力がこの部分に集中してしまう。

 

 

*U型ペアン(U-Shape)のイメージ

差し込む側の厚みを極力一定にして強度の一定化を図る。

幅の変わる部位にRを付けて応力を分散させる。

 

*U型ペアン(U-Shape)の制作

従来型のペアンをU型に加工しあました。厚い先端部を薄くして、交差部の角にRを付けただけです。

 

 

従来型とU型の厚さ、幅、断面積を比較しました。

従来型の先端部(緑線)を削って薄くした(水色線)。従来型(緑線)の一番薄い部分に厚さをあわせた(水色線)。

従来型の角のある交差部(黒線)を削ってRを付けた(青線)。

従来型の断面積(桃線)は先端から約40mmで急激に減少して、その後急激に増加する。この一番断面積の小さい部分に応力が集中して破損につながる。ちょうど切り欠きを付けた状態になる。

U型の断面積(橙色)は従来型(桃線)よりも断面積が小さいが、急激な変化がないため、応力の集中を防げる。

 

【結果】破損しやすい部分の周囲の強度を極力一定にする事でペアン使用時にかかる負担が分散するようになった。

【まとめ】使用時の力が分散する事で破損しにくくなったが、長期的な強度テストが行われていないため、今後も更に観察を続ける必要がある。