重曹透析液供給装置

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 透析中の血圧低下、悪心、嘔吐等のアセテート不耐症が原因と思われる症例に重炭酸透析が有効との報告がされ、各施設で施行されている。当院でも透析困難な症例を中心にバッチ式での重炭酸透析を開始し、良好な結果を得たので、他の透析患者にも重炭酸透析が適応するとの確信を得、セントラルサプライによる重炭酸透析を開始しようと検討した。しかし重炭酸の市販セントラルサプライシステムは非常に高価であるため、我々は従来のセントラルサプライシステムにミキシングポンプを1台追加することにより、重炭酸透析用セントラルサプライシステム制作した。

 

スライド 1

 このシステムは従来のサプライシステム@にA液を希釈させ、追加したミキシングポンプAでA液とB液を混合させている。

 

スライド 2

 これは当院での実際のシステム構成図である。A液を一旦タンクに貯め、加圧ポンプによりミキシングポンプAを作動させている。ミキシングポンプAはムサシエンジニアリング社製のMESミキシングポンプを混合比25:1に原液軸をボア・アップして使用している。これはB液を7%以上にした場合、水温により重炭酸が解けにくくなり、沈殿が生じるため、5%程度にする必要があったからである。

 

スライド 3

 これがムサシ社製のミキシングポンプである。上に乗っているのは電導度計で、混合液の濃度チェックをしている。

 

スライド 4

 スライドの加圧ポンプを使用しない場合、水圧0.8kg/cuで混合量は約3L/minで、加圧ポンプを使用した時、水圧2kg/cuで約5L/minである。ミキシングポンプAの直後で混合液の濃度を電導時計を使用してチェックし、その後、脱気してから供給している。

 ここで重炭酸透析液において問題となる、pHの管理は、当初A+B混合液にCO2のバブリングをしていたが、管理が大変なので、現在ではA原液に90%乳酸を2ml/L加える事により安定化がはかれた。

 

スライド 4

 当初PCO2の低下を考え、脱気をしなかったが、A+B混合液の脱気前後のpH、CO2を比較検討したが、脱気しても別に問題は無いと確信を得た。

 

スライド 5

 脱気前のpHは7.15±0.05  PCO2は70±5mmHgで

 脱気後のpHは7.20±0.05  PCO2は65±5mmHgで

比較的安定していた。

 カルシウム・イオンについても脱気前で2.58±0.02mEq/l、脱気後で2.55±0.02mEq/lであり、大きな変動は見られなかった。

 

スライド 6

 これはコンソールのヒータ棒で、上は新品、下は1年間使用したものである。

 現在、当院での洗浄パターンとして、毎回水洗1時間、0.03%次亜塩素酸Na1時間、放置3時間、水洗2時間を行っている。週1回、配管洗浄剤(カロンPK−U)による洗浄を行っている。カロンPK−Uを使用するようになってから、スライドあるような付着物も殆ど見られなくなった。

 

スライド 7

 これは当院で1年半使用したコンソールだが、フロー・メータや他の配管にも殆ど付着物は見られなかった。

 

スライド 8

 制御装置は既存のものに手を加えて使用している。

 

スライド 9

 なお、電解質、ガス分析、pHメータは必要に応じて透析室内で測定できるようになっている。

 

スライド 10

結語

 重炭酸透析が大多数の透析患者に臨床的、生理的にも有効であることを考えた場合、サプライシステムに於いて、バッチ式では少人数しか供給できず、多くの手間が掛かり過ぎるという欠点がある。しかし、現在の状況ではセントラルサプライシステムは高価なため、簡単には設置することはできない。そこで既存のシステムの改良により、重炭酸サプライシステムを安価に制作でき、安定した供給ができれば有用であると思われる。

 今後、重炭酸セントラル・サプライ・システムの問題点を1つ1つ検討、改善してゆくつもりである。

 

遠藤正寿 大貫順一 近藤清隆 住永雅司 寺尾誠心

第12回透析懇談会勉強会             昭和57年2月14日