低酢酸透析液

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  低酢酸(4mEq/l)透析液の作成と臨床効果の検討

蒼生会高松病院 ○大貫順一 白瀬耕一 時田宏治 筒井一雅 

猪俣健一郎 横堀聡子 横山優美 近藤清隆 伊藤博夫 寺尾誠心

 

目的:透析液の酢酸の副作用が報告され、重曹透析液へと移行してきました。しかし、現在も透析液には8mEq/lの酢酸が含まれており、この濃度でも酢酸不耐症とみられる症例は多く存在します。酢酸不耐症と思われる症例に酢酸3.5mEq/lのHFを施行すると症状が軽減することから、透析液の酢酸濃度を4mEq/lに低減させた低酢酸透析を施行しました。データは血液中の酢酸濃度を中心に比較検討しました。

 

方法: 

1.市販の粉末型透析用剤(酢酸濃度8mEq/l)を使用し、透析前後の血中酢酸濃度の比較を行いました。

 中でも酢酸不耐症症状、特に帰宅までに時間を要する患者にHFを約4ヶ月間施行しました。

2.HFの酢酸不耐症に対する効果として酢酸濃度3.5mEq/lがあると考え、

中央供給装置の透析液の酢酸濃度を4mEq/lにしました。

 

写真−1 低酢酸透析液の作成法は、酢酸濃度8mEq/lの粉末型透析用剤(キンダリー3D)と無酢酸の粉末成分(NaCl 10kg,KCl 261g,MgCl2 178g,CaCl2 322g,C6H12O6 1kg)を自家計量して用い、原液を作成し透析を施行しました。

3.更に、酢酸不耐症症状の特に強い同患者に対し、低酢酸透析(4mEq/l)、アセテートフリー・バイオフィルトレーション(0mEq/l)、低酢酸透析(4mEq/l)を順に施行しCTR、BWの経過を比較検討しました。

 

結果:

1.通常透析、HF、低酢酸透析、無酢酸AFBF、低酢酸透析の経過です。

 酢酸濃度8mEq/lの通常透析時は透析を終了しても血圧低下のため立ち上がれず、動けるまでに1時間から2時間を要していました。

 HFに切り替えたところ、たちまち終了時の立ちくらみは消失し、約4ヶ月間でドライウエイトも2.2kg程度落とすことができました。

 その後の各治療法ではドライウエイトは1.5kg程上昇しましたが、CTRは最高62.0%あったのが現在の低酢酸透析で54.3%にまで低下させることができました。

2.透析後の酢酸濃度は、低酢酸透析では通常透析に比し顕著に低下しました。

 

 

3.低酢酸透析液の希釈後のpHはダイアライザー入口で7.66、出口で7.61であった。透析後の血液のpHは7.43〜7.46と通常の透析と差はなかった。

4.機器へのCa沈着を懸念し酸洗浄を毎日施行しました。

 

 結論

1.低酢酸透析は酢酸不耐症と思われる症例の血圧低下の頻度を減少し、ドライウエイトも下げることができました。

2.機器へのCa沈着を懸念し酸洗浄を毎日施行しました。

3.低酢酸透析では通常透析に比し、血液中酢酸濃度の上昇は抑えられ、酢酸不耐症と思われる症状も出現しなくなりました。