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穿刺部周囲の瘙痒感にたいするヘルスセイフの効果と抗菌作用
透析患者さんに最も多いと思われる合併症の一つに瘙痒症があります。特に穿刺部周囲はアルコール、イソジン、ヒビテン等の消毒薬、絆創膏のノリ、その上に穿刺による傷と、皮膚には過酷な状況が多く、いっそう?痒症を増長していると思われます。これらには止痒剤の塗布や内服薬を使用したり、アルコールや氷等により?痒感を紛らわせていました。しかしそれらでも効果を得られない症例も多く、また透析終了後も穿刺部周囲の?痒感により、穿刺部を掻きむしってしまった例などもあります。 それらの瘙痒症の多くに皮膚の荒れが見られることから、皮膚の荒れを防ぐ事により対処できるのではないかと考え、皮膚保護効果のあるヘルスセースを使用しました。 ヘルスセーフは殺菌、抗菌作用があり、穿刺部周囲の使用にも適していると思われました。またヘルスセーフはアメリカで調理関係所のために開発され使用されています。
図−1にあるように、皮膚表面にポリマー・シールドする事により菌の付着を防ぎます。
写真−1はポリマー・シールド前の皮膚の拡大写真です。写真−2がポリマー・シールド後です。写真−1にあるでこぼこが写真−2では消えています。
写真−2は手形培地による検査写真です。
写真−3 写真−4 写真−5
写真−3,4,5は、”写真−2”の試験後、ヘルスセーフ0.2mlをサラサラになるまで手に擦り込み、再度供試菌液に手を浸し、5分、1時間、2時間後にそれぞれ手形培地にて細菌培養をしました。細菌付着は非常に少量に押さえられています。
表−1は日本食品分析センターによる試験結果です。大腸菌、黄色ブドウ球菌、MRSA、赤痢菌に非常に有効であることがわかります。
表−2は菌の最小発育濃度測定の結果です。表にはありませんが、ヘルスセーフ未使用例の40から50分の1に抑えられています。
図−1のポリマー・シールドにより皮膚保護効果も発揮します。皮膚表面のシールドにより保湿効果を持ち、溶剤等の浸透を防ぎます。ケトンの皮膚浸透は1/740に押さえられています。 性状は白色乳液、皮膚への塗布部分はベトつかずサラサラしているので、絆創膏の粘着力も低下しません。 我々の施設での調査では、透析患者の瘙痒が最も多い場所が穿刺部周辺でした。またその周辺の皮膚に乾燥が見られることから、保湿効果があり、溶剤浸透抑制効果もあるヘルスセーフを?痒を訴える透析患者18名に使用しました。表−3はヘルスセーフ使用後の効果を対象者の判定により集計しました。
ヘルスセーフの止痒効果 対象 18例
* 印の内1例は1回目で使用中止対象18例中効果あり17例、1例は1回使用後に本人の希望で使用中止
瘙痒が無くなったため使用中止 対象 5例
瘙痒が消失したため5例で使用中止。内2例が再度出現したため使用開始。その後、瘙痒は消失した。
結果:18例中17例が瘙痒が消失したと判定しました。2例は1度使用したのみですが効果が無いということで使用を中止しました。うち1例は再度開始して、効果が得られています。 効果のあった17例中14例が1回目から瘙痒が消失したと判定しました。残る3例も2回目以降から?痒が消失したと判定しました。 有効例中2例では穿刺部を含む全身に使用したところ全身瘙痒にも効果があったと判定しました。 有効例中5例で瘙痒消失後ヘルスセーフの使用を中止しましたが、2例は再発し使用を再開しましたが、3例はその後も瘙痒が再発していません。 有効例中1例では穿刺部周辺がケロイド状で皮膚が非常に弱く、絆創膏と一緒に皮膚が剥がれてしまうことがあったため、絆創膏の使用量が極端に制限されていました。ヘルスセーフ使用後からは絆創膏による皮膚の剥がれが無くなったため、通常と同様に絆創膏を使用しています。
まとめ 1.ヘルスセーフには殺菌、抗菌効果があり、使用後も絆創膏の粘着力を低下させないため、穿刺部周囲(特に絆創膏を貼る部分)への使用でも安全性が高いと思われました。 2.絆創膏による皮膚の荒れ防止に効果的であり、止痒効果もありました。 3.全身において皮膚乾燥による瘙痒に効果がありました。 4.ヘルスセーフの止痒効果は皮膚保護により2次的に現れるものなので、アレルギー等による?痒への効果は不明です。
最後に、水洗、薬洗等による看護婦の手荒れ防止にも役立っています。
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