ダブル・ポンプHDF

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ダブルポンプを利用したHDF

 

 


  β2-MG除去を目的にHDF治療が行われていますが、HDF施行には高価な機材や高度な管理が必要になります。そこで、我々は安価で簡便なダブルポンプを使用したHDFについて手技と安全性・正確性を検討しました。

 図−1にダブルポンプを使用したHDFのフローチャートを示します。コンソールは二プロ社製NCU−7を使用しました。通常のHDに輸液ポンプを1台追加し、置換液量と同量の除水をプラスする事によりHDFが可能になります。しかし置換液量はコンソールの除水能力から実除水量を引いた値となるため、コンソールの除水能力に制限されます。そこで輸液ポンプにダブルポンプを使用する事により置換液と廃液が同量に保たれ、置換液量はダブルポンプの能力上限までが可能になります。また、除水は通常のHDと同様の設定にできます。

 

 

 



  使用機材はJMS社製M−04マルチポンプ1台と輸液及び排液用回路用のJMS社製ダイアライザー洗浄用セット2本のみです。回路構成はダイアライザー洗浄用セットを置換液からHD回路の輸液部へ1本とダイアライザーの透析液出口部から排液用ラインへ1本接続し、ダブルポンプにセットしました。濾過はダイアライザーの透析液出口側チューブにルアー付きストレートコネクターを接続し、洗浄用セットをルアー接続しました。

 液置換量の精度を確認するために、置換液と濾液量の誤差を測定しました。測定方法は、単位時間当たりの置換液量を1L/h〜4L/hまで1L毎に設定し輸液及び排液量を測定しました。また、通常HDでは静脈チャンバーに圧がかかる為、50mmHg〜200mmHgの間で50mmHg毎にクレンメで加圧し測定しました。さらに、ローリングチューブの精度誤差を確認する為に、ー度使用したローリングチューブの置換液側と濾液側のラインを入れ替えて同様の測定をしました。
  

 

 

 グラフに示すように、置換液と廃液の誤差は、置換液量・輸液圧をそれぞれ変化させても最大で1.5%以内でした。廃液の輸液に対する変化率は平均で1Lが−0.24%・2Lが−0.53%・3Lが−0.82%・4Lが−0.96%でいずれも1%以内でした。

 置換液の温度調節は、通常、加温バッグを使用しますが、当院では、コストと回路操作の煩雑さを低減させるためにサブラツトBを直接、温水で加温しました。輸液液温度を36℃−40℃に調整し、HDFを行なった結果、コンソールの温度調整で冬の室温が低い時期でも充分対応する事が出来ました。 
  
 以上の事からダブルポンプと置換用の回路のみの安価で簡便なHDFが可能ですが、ダブルポンプの電源をコンソールと別に取ると、HDF中にコンソール等の異常で血液ポンプの停止が起きた場合、ダブルポンプは単独で作動したままで危険です。NCU−7には、警報連動電源がないため、ダブルポンプの運転を停止させる警報連動電源を設置しました。


   


  図−2は電源の回路図です。コンソールの警報出力によりダブルポンプ用の電源を制御しました。また、置換液用ポンプの制御を電源のON−OFFで行うため電源OFF時に置換液用ポンプの設定がクリアされてしまいますが、M−04マルチポンプは、停電時用メモリにより電源OFF時でも設定がクリアされずコンソールの異常を解除するだけで、HDFが再開されます。

    まとめ

1.ダブルポンプ使用のHDFの正確さは測定により充分実証出来ました。
   
2.置換液温度の調整は、輸液の加温とコンソールの温度調整で充分、対応可能できました。

3.安全性についてはダブルポンプとコンソールを連動させたことで、異常時にダブルポンプだけが作動する事が無く、安全に対応する事が出来ました。

   結論
 
  以上の検討結果より、ダブルポンプ方式はHDF用として充分使用可能でした。

 

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