粉末溶解専用装置を用いないリンパックの溶解法
目的
従来の透析原液は、倉庫や機械室を独占し、在庫管理を困難にしています。そこで私達は原液を粉末(リンパック)に変更することで在庫スペースの低減が可能だと考え、粉末溶解専用装置を用いないリンパックA粉末の溶解法を検討しました。
方法
1.占有スペースの比較を透析原液(AKソリタFP)と粉末タイプ(リンパック)で行いました。
2.A原液を粉末に変える事により心配される溶解の問題について検討しました。
溶解方法
@撹拌棒による溶解
撹拌棒による撹拌によって溶解するまでの時間と溶解後の濃度の測定を行いました。
A循環ポンプによる溶解
撹拌棒による撹拌では、清潔面での問題が残るため、循環ポンプでの溶解を試みました。
タンク下からタンク上部への撹拌だけでは底部にたまった粉末の溶解が困難であるため、図−1のようにパイプを用いて底部に水流を作って溶解しました。吹き出し部はタンク底部全体に水流が出来る様に穴開け位置を決めます。

図−1
タンク内はA原末を入れると沈澱し、その後、水流により撹拌されます。投入直後は全体に攪拌されていないためタンク下部で高濃度、上部で低濃度になります。徐々に下から上に撹拌され、平均化します。約10分で気泡等も消え、液は透明になります。
タンク内の撹拌状態を調査するために、RO水が100L溜まった時点から2分30秒おきに透析液を、上部、中部、下部から採取し原液タンク内の濃度が一定になるまでの時間を測定しました。図−2に時間ごとの測定濃度を示します。
結果
1.原液と原末の容積を比較すると、原末は原液の1/4でした。
当院で1週間に使用する量を比較すると、液・粉タイプと粉・粉タイプとでは段積みの場合1.25uと0.31uとなり、75.0%の省スペース化が計れ重量では1107sと315sとなり71.5%の省重量化が計れました。
2.リンパックのA粉末は1セットを10Lに溶解しました。
RO水が100L溜まるまでの時間は約7分30秒でした。RO水は30℃に加温しています。
@撹拌棒による撹拌では10分間断続的に撹拌しました。その後、約10分で液が透明になり、溶解を目視にて確認出来ました。
A図−2は循環ポンプによる撹拌の結果で、RO水が100L溜まるまでの間に透析液原末を投入し終え、この時点を0分としました。循環ポンプは20から30L溜まっ時点で回し始めます。0分では当然ながら、中部と下部で濃度が高く、上部で低くなっています。5分後にはほぼ平均化し図−3のようになります。10分後には透明になりました。
図−2 図−3
結論
1.粉末透析液は、省スペース化に有効である。
2.粉末透析液は、運搬等の労働力の軽減になり、廃棄物の量も減らす事が出来た。
3.原末溶解の問題も、循環ポンプと吹き出し管を工夫する事により解消した。
更に、循環ポンプシステムは、B液の溶解にも利用が可能である。